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オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイTの猫とその一味 第42話「二つの続報」の巻

それから数日後、鼻を黄色くしたバケーションが持ってきてくれた手紙にはこう書いていた。 私の中にはいつも7月の飯豊がある。吹雪の中の除雪の時も、除雪機が何度も詰まってうんざりする時もありますが、そんなこと全てが7月の飯豊の稜線を歩く私に...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイTの猫とその一味第41話「束の間の7月」

頂上から北には関川村を見下ろすことができる。そこで私の本物が私の良く知る日常を送っている。 目を転じて小屋側を見れば、飯豊の山々の連なりが見える。一番奥に飯豊本山、そして烏帽子、梅花皮、北俣、地神・・・おや、また登山者が来たようだ。 ...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイ Tの猫とその一味第40話「ずっと7月」

鉾立峰から小屋までは指呼の間だが、登山者は道草をしてすぐには小屋に着かなかった。 「あれ、道を逸れて草むらに入りましたね。ニッコウキスゲの花の中を歩いています」 「縦横無尽に歩き回っています。ニッコウキスゲが沢山倒れますね」 ...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイTの猫とその一味第39話「日記係の交替」

1日5往復、大した労役には思えなかったが、サンダルであるのと、水を汲むのに以外と時間が掛かかるので、一回1時間では終わらないことが分かった。水場は浅くて大五郎の4ℓ容器がすっぽりと入らない。だから500のペットボトルで汲んで大五郎の細い口か...
2022 山行

摩耶山・日本国2022/11/27

和幸と二人の山行は2010年の頭巾山(撤退)以来かもしれない。天蓋山を予定していたが、参加するのが和幸だけだったので、彼の登ったことのない新保岳に変更して登山口に向かうと、先般の豪雨のためか林道は途中ゲートで塞がれていた。そこから登山口まで...
2022 山行

筑波山 2022/11/19-20

12年前のこの時期、筑波山に登った時に驚いたのは雪であった。新潟の冬から逃げて茨城まで来たのに、まさか雪に遭うとは。今回は人。紅葉の時期で天気が良かったためか、関東中の人が集まって、駐車場まで1時間以上の渋滞。駐車場の誘導員に「いつもこんな...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイTの猫とその一味 第38話「鼻黒医師の言い分」

猫と鼻黒猫とポーター犬と、それを取り巻く人間たちの報告をこの頃怠っていた。もちろん報告は義務ではないが、私自身の認識、確認のためだ。それだけの意味しかない。 報告が滞った理由は喉の痛み。10月の下旬、正確には26日急に喉が痛くなって、...
2022 山行

牟礼山(秋の健康登山)2022/10/29

5社の天気予報を検証して、予定通り土曜決行の方が晴れの確率が高いとした渡辺予報官の面目躍如の結果となった。朝方まで雨、しかも強い雨も時々。降られるかなと心配したが、バスに乗り込むまで降っていた雨も、シシノクラ平のブナの巨木を見るためにバスを...
2022 山行

牟礼山(下見)2022/10/22

牟礼山は単独行の頃から登っている馴染みの山だが、特に印象深いのは亀山さんに教えたもらった冬道から登った時だ。あの頃は中村さんも大いに元気でと思うと感慨深い。下見予定の土曜日は午後から雨の予報なので、シシノクラ平の巨木の道と、牟礼山登山口手前...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイ Tの猫とその一味第37話「ポーター犬の冬の仕事」

冬の間、ポーター犬はどう過ごしたら良いだろう。本来の職場北岳山域は深い雪に閉ざされて山小屋も閉まるから戻りようもない。出張先のここ関川村でも光兎山に冬登る人は稀である。自分の稼ぎで作った、犬にしては立派な家(43,500円)で、無聊なまま安...