2025-01

オッドアイ・Tの猫とその一味

オッドアイTの猫とその一味第81話「ちぎれるほど手を振る」の巻

私らは手がこんななんで乾杯できないのが残念です。バケツから頭を出して猪は言った。 「うまいです。うまいです。乾杯できなくてもうまいです。でも昔はもっとうまかった気がします。きっともっとうまかったです」 「賞味期限が切れているからかもしれ...
2025 山行

五頭山 2025/1/26

新年の初登山は少し遅くなったが恒例の五頭山。予報は快晴だったが、稜線は雲の中。テントを張って昼食後、ようやく五頭の空が現れた。関川5:50発>7:20村杉駐車場7:35>8:00三ノ峰登山口8:15>10:40三ノ峰>11:11前一ノ峰>1...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッドアイTの猫とその一味第80話「飯豊のコマクサ」

コロニャのおかげでTが一時的に金満家となったとしても、やがて元の木阿弥、少しでも商才があれば自分の家をコロニャ病院にして全国の愛猫家から永続的に埋葬料を徴収することもできるだろうがと、彼の将来を危ぶんだ。昨年兄が死に母が続けざまに死んで、今...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッドアイTの猫とその一味第79話「コロニャの蔓延」

「そうですそうそうその通り、昔は立派な双眼鏡師だったのですが、器用貧乏というか、なんでも器用にできるので、一つのことに専念できず、今は見えるものも見えなくなってこんな感じです」そう言って一通の手紙を自由になったSさんは私に渡した。放浪する半...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッドアイTの猫とその一味第78話「彼の勲章」

「私らは半猫なので影が薄いです」 「私は半人前なので半猫より悪いですが、影は人並み、一丁前です。だから影のことは気にしない方が良いでしょう」 「私らはだめですだめですまるきりだめですからきしだめです後悔だけが生きる証です」 目の前の山...