オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイ Tの猫とその一味 第10話「宮尾宮子」

それよりも尊徳の頭を封じ込める方が先決なのだ。エアキャップで包んでから段ボールに入れ、それをできる限りガムテープでぐるぐる巻きにして、そこに 「ドライブ ドロップ チャンスでスマッシュ 流れる星の速さで打つから 願いを掛ける時間はない...
2021 山行

中ノ岳-丹後山2021/10/3-4 2日目

どこの稜線も稜線歩きは素敵だが、素敵というほど平坦な稜線は一つもない。中ノ岳から望めば小兎との間に大きな鞍部、兎岳と大水上山の間にも凹、あとは笹原の平坦な道に見えるが、そんな平坦な稜線はどこにもないと、覚悟と希望を秘めて丹後山へ続く尾根を辿...
2021 山行

中ノ岳-丹後山 2021/10/3-4初日

巻機の牛ヶ岳から中ノ岳を見て、越後三山の盟主然たる姿に感銘した綿野舞さんは是非そこに登ろうとランニングにも熱が入っていたが、不運にも一生に一度罹るか罹らないかの帯状疱疹の発症となって不参加となった。中ノ岳は楽な山ではない。登山口440mから...
2021 山行

月山 2021/9/27

九月はブドウ園と子守りで週末の忙しいYの希望で月山に行く(Yとは巫女で猪使いのYのことではない。昔で言えば「女工哀史」の女工であり、野麦峠の代わりに毎日桃川峠を越えて工場に向かうのである)。月山は何度も行ったが、湯殿山口から登ったことがない...
2021 山行

八海山 2021/9/20

 八海山はロープウェイを使って二度行っているが、いずれも不動岳まで。不動から先が難コースなのと、ロープウェイを利用すると時間がタイトになって団体で行くには不向きだ。一人で登れば時間はどのようにも調整できるので8時半の始発に乗るつもりでいたが...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイ Tの猫とその一味 第九回「両手も回せない」

 例の猪が例の襟巻をして前を歩いている。気に入って巻いているのだろうか。それとも一味の証みたいなものだろうか。猪に毛の襟巻はいかにも暑苦しいので 「それは君、仲間で流行の襟巻か」と聞いてみた。 「欲しいのか、欲しければやるぞ」 ...
2021 山行

巻機山 2021/9/12(日)

  巻機山には2006年の8月20日に会山行11人という大人数で登っている。前日に平標を登ったせいもあり、征平さんが途中リタイヤ、その時68歳。今その記録を見ると、6時半に登り始めて11時20分に着いているから特に速いペースでもない。今回の...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイ Tの猫とその一味 第八回「変で良い襟巻」

会場の体育館に着いて準備をしようとすると、靴を忘れたことに気づいた。更衣室に戻って探したが見つからない。一緒に来た人たちはもう卓球台で球を打ち合い、試合前の練習をしている。裸足でもいいかと思いながらもバッグをもう一度探すと衣類の下に尊徳があ...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイ Tの猫とその一味 第七回「冬は休む」

第六回最後の部分と重複、直し。 「ミッキーみたいに一ヵ所しか出ないといいのに」とつぶやいた。 これからこの山小屋が火事になってD6さんと征平さんが登場してと、私は予言者のように巫女に教えようかと思ったが、小屋に居るのは私一人、慌てて...
オッドアイ・Tの猫とその一味

オッド・アイ Tの猫とその一味 第6回「言い訳ばかりが年をくった」

残念ながらここで夢は覚めた。もう一度夢に戻って猪を詰問したかったが、有耶無耶のまま眠ったようだ。続きを見たかもしれないが、一旦覚めて途切れた後の夢は恣意的だ。 「君はまるきり猪の姿態だけれど、中身は強欲な人間のようだね。煩悩の人だ」 ...