2022年1月

元旦マラソンは今年も中止で静かな年末年始の予定だったが、大晦日の日に犬小屋の入っている車庫のシャッターが二枚とも開かなくなった。いつもはサラサラと開いて、途中からひとりでに上まで上がるくらい滑らかなのに、この日はなかなか開かないのを力づくで途中まで開けたはいいが、それから上にも下にもいかなくなった。あまり力づくでやると壊れてしまうに思い、開けたまま思案した。一晩中吹雪いた強風でシャッターが変形したとしか思えない。業者に頼みたいところだが大晦日である。犬小屋があるのでこのままにはしてはおけない。ベニヤ板とか葦簀で囲わなければならないだろう。正月の間はそれで乗り切るしかないだろうと、家の中に一旦戻ろうとした時に、目の前のシャッターの隅に「365日24時間修理対応」と書かれた小さなシールが貼ってあるのを見つけた。365日と云えば大晦日も入るが、まさか大晦日は無理だろうと思いながらダメもとで電話を掛けてみた。すると手配してくれることになって、新津から二時間掛けて吹雪の中を来てくれた。原因は凍結だと言う。蛇腹の間に入った雪が凍結して蛇腹の容積が増え、上部の巻き取り部分に入りきれなくなるのだという。巻き取り部分のカバーを外し、氷を叩いて落としたり、融雪剤スプレーを蛇腹の溝一本一本に丁寧に吹き付けたりで90分位で直ったが、その間は寒かった。マイナス3°位でも壁打ちを一時間もしていれば汗ばんでくるけれど、じっと作業を見守り、時々脚立を抑えたりする程度の運動では徒らに冷えるばかりだった。それにしても大晦日の吹雪の日に二時間も掛けてきてくれた若い職人さんは感謝のしようもなく、近くにコンビニでもあれば温かいコーヒーと肉まんでも差し上げたのだけれど、それが心残り。修理の間、犬は反対側の作業所に毛布を敷いて入れておいたのだか、ここのバカでかい戸は最近集落の大工さんに頼んで直してもらったらするすると小指でも開くくらい滑らかになったので、犬がやたら出てきて吠える。閉めておいても隙間から外を覗こうとした拍子に鼻先が当たって開くのだろう。その隙間に頭を入れ、胴体を入れて出てくる。何度押し込んで閉めても、いつの間にか出てきて吠えていた。犬がいなかったら正月明けでも良かったのだが。

 30日から元旦まで、人との会話はその若い職人さんだけということになる。二日の日は台所を出た階段で凍った雪で滑って突き指をした。軽かったが、バドミントンでは大事な右手の親指だった。四日の仕事の始めの日に運悪く、集落の防火水槽二箇所の除雪登板に当たる。大雪となったが、さまざま用意周到にしていたので順調に進んだ最後の最後、防火水槽の隅に置いてあった古タイヤを除雪機の刃が噛んでしまい、どうしても取れない。仕方なくタイヤを噛んだまま作業所まで除雪機を運転して戻って、叩いたり切ったり悪戦苦闘したが取れず、時間が無いので出勤の準備に掛かった。食事、トイレ、風呂と大急ぎで済ませて、猶予の20分をもう一度だけ試みようと掛かったところが、なんとか外れて歓喜した。実は前日の夜念のため下見をした時に、タイヤが二つ、なにかの目印に置いてあることは確認していた。それなのにその位置を誤って機械を動かしたのだ。そんな悔しさもあって、外れた時は一層嬉しかった。

 2022年の年の初めのこと。今下旬に入ってもほぼ毎朝除雪(そう振り返ると10日の五頭登山の晴れは僥倖であった)。6時前から除雪を始めて7時過ぎまで一時間と少し。二回目の除雪当番も回ってきたが5時から始めて順調に終えた。朝一番、最も頭の冴える時間を除雪に充てるのはもったいないが、除雪をしないと出勤できないから仕方ない。何度も言うけれど私は南国向きだ。一年中短パンとTシャツ1枚で過ごせる場所が相応しいはずだ。今大寒に入り、寝る時はダウンのベストを着て、靴下を履きネックウォーマーをして毛糸の帽子を被る。夜中に暑くなって脱ぐことも今はなくなり朝までその姿のまま寝て起きて、コーヒー一杯飲んでから冬山登山用のモンベル上下を着て二枚重ねの手袋、そしてヘッドランプを点けて除雪にかかるのである。

 バドミントンのシャトルは気温7度差で30㎝、飛ぶ距離が変化するという話を夜の練習の前にしていた。気温が高くなる夏は空気密度が低くシャトルへの抵抗が減って良く飛ぶ。冬は逆なので、飛び易いシャトルに変えようという話。夜の体育館は氷点下になる時もある。夏は30度以上の時もあるからシャトルの飛距離は120㎝以上違うということになる。

 いくら南国向きでも南国移住は諦めなければならない年となった。そしてこの頃はメリハリがあって良いのかとも思っている。今日明日は休み、これから今季初の雪下ろしをやろうかと思っている。