車の上に箱を置けば次から次へとだぶだぶ猫は捕まえられる。常に腹ペコの猫なので自発的に箱の中に入り、満腹になって眠ったところで箱の蓋を閉めると、一個の郵便物が完成する。だぶだぶ猫は一枚の厚手の風呂敷のような形態なので、箱に入れるより箱を包んでも良さそうだけれど、鼻黒郵便夫は毛だと宛名シールが貼れないと言う。貼ってもすぐ剝がれて、宛先不明の郵便物は長野の松本の松本城の近くの郵便局に集められて、松本城の堀に捨てられる結末だと言う。そもそもだぶだぶ猫で包んだとすると箱の中は空っぽになって、私ら郵便夫にとっても甲斐の無い仕事ですと鼻黒郵便夫は良い顔をしません。だから箱の中に入れることにしました。折り畳んでも自然と広がるのは生き物だから仕方ありません。さて、だぶだぶ猫がなぜだぶだぶ猫になったかの話をしましょう。飽食放漫放埓の青春を過ごしたせいで心身ともだぶだぶになり、希望を一つ二つと無くす度に痩せてだぶだぶになったようです。こうなったら、いつも7月の朳差岳に行きたい、歩けなかった道も再びは会えない人も忘れて思い出さない桃源郷で過ごしたいと希望を私に伝えるのでした。それに箱に入って運ばれれば、辛い登りも免れると、大変好都合のようでした。どうぞ一日10回の水汲みを課して、だぶだぶ猫を健全にしてやってください。
オッドアイTの猫とその一味第99-2「だぶだぶ猫の捕まえ方」
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