炎暑に昼顔

ヒルガオは一日花で、こんなに咲いても家に帰る夕方には一つ残らず萎んでいる。もちろん育てたわけでなくて、草刈りの難を逃れて自然と伸びてきたものだ。絡んでいる棒は、除雪機を運転する時に道路の端を示すための立てたものと、草刈りをする時に、道の土留めの一部の鉄管に草刈機の刃がぶつからないように立てた物だ。その根元に生えていたために、草刈をした時に刈られず、そして成長して今毎日花を咲かせている。花数は一つの蔓で、多いのは15個、少ないと3輪くらい。毎日新しい花が朝には開いている。雑草扱いたが、花は美しい。薄桃色のグラデーションがヒメサユリに似ている。こんなのが高山に咲いていたら人は欣喜雀躍するのだが、里に咲く限り雑草扱いで見向きもされず、他の草と一緒に刈られるだけだ。
そうこうするうちにヒルガオは棒から離れて平地に伸び始め、花畑を形成した。そろそろお盆前の草刈りを始める時期だが、ここを残すことにした。七月は毎週末の山行、それも泊りがほとんどで、草刈りもできなかった。その七月の山行をひとつひとつ思い出し、晴天と無事に感謝しながら草刈りをしよう。いつのまにか還暦は過ぎ古希さえ遠くないとしても。