朝食前に朝の尾瀬を散策し7時過ぎに至仏山を登り始めた。尾瀬とその周辺の山を歩きつくしている高橋さんは逆回りで至仏へ。尾瀬ヶ原と至仏山の標高差は約800m、3時間のコースタイムでほぼ直登の急坂続き。森林限界を越えると背中に陽を受けながら登った。高天ヶ原に着くと急に花が増え、イブキジャコウソウとタカネナデシコが花畑を作っている。ホソバツメクサ、タカネシオガマも多い。ホソバヒメウスユキソウも出てきた(後で写真を見ると沢山の撮った写真は一枚もピントがあっていなかった)。また、オゼソウは時期が遅く、一茎も見ることができなかった。それでもなんと花だらけの山だろう。花の多さ、種類の多さに心が躍った。私がバレリーナなら「楽勝の湖」を踊ったであろう。「オゼソウには時期が遅い」と教えてくれた年配の方が言っていたが、高天ヶ原から先が正に至仏の真骨頂なのである。頂上に着くと、一足も二足も先に着いた高橋さんが知らない家に来たお客様のようにちょこんと隅に座っていた。尾瀬を自分の庭のように歩いた彼女なら、中央の標柱の脇に陣取り、大威張りで大の字になるような勢いで待っているのかと思っていたので、拍子抜けであった。鳩待までの下りも同様に花が多かった。14年も前、ツアーで来た時の、天気も相まって陰鬱な山の印象は払拭され、花と展望の山として思い出に残るだろう。
朝食前に原を散策
今日登る至仏山を背景に
トンボはこうして夜を過ごし、羽についた朝露を朝陽が乾かすのを待つ。
燧から昇る朝日
朝食
7時過ぎ至仏山荘発
先ずは尾瀬ヶ原の西端を通って
横道に逸れた池塘にオゼコウホネが一輪咲いていることを教えてくれる人がいた。先週尾瀬ヶ原を縦走しても見られなかったオゼコウホネ。教えてくれた人もこの一輪だけだと言う。
至仏山の山頂のように見えているのは高天ヶ原辺りか。
樹林帯に入って急登が始まる。
森林限界を越えると尾瀬ヶ原が一望できる。
その頃高橋さんはテラスベンチから尾瀬ヶ原を眺めていた。
シブツアサツキ
中央は景鶴山、左奥に平ヶ岳
高天ヶ原に着くと花畑、イブキジャコウソウが最も多い。
燧の左奥は会津駒だろうか。
タカネナデシコも沢山!
タカネナデシコとホソバツメクサとイブキジャコウソウ
ジョウシュウアズマギク、これも至仏と谷川岳でしか見られない。
タカネシオガマとマルバシモツケ
タテヤマリンドウ。写真はピンボケで載せられないがヒメシャジンも咲いていた。
頂上直下、小至仏山と武尊山が見えている。
尾瀬のベテランなら標柱の前に陣取って、大の字になって待っていてほしかったが・・・
頂上で昼食。山荘のおにぎり。
右奥に先週歩いたアヤメ平が見える。
下山開始
左は小至仏、奥の三角は笠ヶ岳。一番奥に武尊山
小至仏の登りから至仏山を振り返る。
小至仏山頂上と至仏山
タカネバラが数輪
今年はコバイケイソウがどこでも少ない。数年周期で沢山咲くそうだ。
蛇紋岩は滑り易く、慎重に下る。
至仏から小至仏までアキアカネが無数に飛んでいた。暑い時期を高山で過ごし、秋になり涼しくなるにつれ麓に下り、赤くなっていくという。
ウサギギク
オマエ沢田代
湿原のキンコウカ
3時10分 鳩待峠到着
尾瀬に浸かる二週目、今回もまた天候に恵まれ尾瀬ヶ原から至仏山へのコースを満喫できた。燧にも登り尾瀬沼も回ったことがあったし、この二週で尾瀬ヶ原も歩いたが、まだ何度来ても良いと思える山行だった。昔高橋さんが毎年来ていた理由が分かった気がする。