頭巾山(ずきんやま)は光兎山の後ろにある山で、登山道は無いが光兎山より高い山だ。光兎山に登らず左右から沢伝いに登って光兎山の真後ろの鞍部「カンニャ越え」から頭巾を目指す方法と田麦から全く別な尾根を辿る方法があるが、分かり易いのは光兎越え。時間と距離は光兎山頂で行程の半分だから、とにかく急いで光兎山までは2時間20分で着いたが・・。
藤沢川右岸の尾根を下ったつもりだったが、実際はもう一つ先きの尾根を下って難儀した。尾根を間違えたことに気づいたのは着いた場所が田麦でなく大栗田だと分かった時だが、痩せ尾根と密藪に進捗せず、一体いつまで続くのかと思った時に尾根の左奥に白く細長い林道が見えた。そしてそれを目指して尾根を反れて斜面を下ると、にっちもさっちもいかない薬研のような沢となり・・・・。這う這うの体で目指した林道、しかしその林道、実は河原だった。川に沿ってできた細長い砂地の河原を林道と見間違ったのだ。それからは雪解け水の川を漕いで下る。あまりの冷たさに我慢できず、度々陸に上がる。それを繰り返してやっと着いた集落。田麦のはずが、村上市の大栗田。藤沢川のつもりで下ってきたのは門前川。幸い大栗田には親戚がいたので、中束まで送ってもらった。
教訓の多い未熟な山行だったが、一人で良かったとつくづく思った山行でもあった。間違った尾根を下って、川の下流に集落があって良かったが、滝があったらどうなっていただろう。追記 光兎山にデポした一対のストックはその後平田大六さんが探してくれたそうだが見つからなかった。