最終4日目 5:20小屋発≫6:20笠新道分岐≫10:10左俣林道≫11:25新穂高温泉≫安房トンネルを通り長野周りで19:45帰着 眺望の少なかった雨の4日間は様々な教訓だけ私たちにもたらし、そして無事に帰してくれた。
新穂高温泉の橋にようやく着いて車まであと少しの時に和幸はなにか妙に興奮してカメラを川に向けていた。聞けばすぐそこに左俣谷と右俣谷の二本の川の合流地点が見えると言っている。それがどうした、とは言わなかったが、この4日間の山行で一度も見せたことのない興奮の様子で、私はなにか違和感を覚えた。そういえば梶川尾根で道に迷い、一泊余計に山で過ごして石転びを下ってきた時も、温平のスリットダムの一部から水がちょろちょろ漏れているのを大変興味深げに眺めて、しばらくそこから離れなかった。花の名を聞くわけでもなし、山の名を聞くわけでもないこの男の興味の在り様に、やはり少々の違和感を抱いたが、農家だから水関係が好きなのかもしれないと今は納得している。