前日の土曜日は父を床屋に連れていく。午後渡辺夫妻を乗せて寒河江の宿泊地サンチェリーに行く道すがら、朝日町の国指定名勝「大沼の浮島」を見学。その途中、エンジントラブルで車が止まる。何年も乗っていて初めての事。なんとか動くようになって翌日のスタート位置には立てたが、直前のトイレ待ちが長蛇の列で時間が無く、糞意を感じながら不安のスタートを切ったのである。走り出してしまえば、通常この種の不安は忘れてしまうが、この日は違った。一足一足、腹痛は増すばかりか、一足一足滲み出る気配と感覚に襲われて、コース最初のトイレに駆け込んだ。取り越し苦労の考え過ぎだを思っていたが、私の感覚は過たず当たっていて、既に下痢状の便がタイツをたっぷりと汚していたのである。こんな私に幸いだったのは、スタートして何キロも走っていない最初のトイレを利用する人はほとんど無かったことだ。私はこの時点で、記録を諦め、納得するまで残留していた便を排泄し、そして和式トイレの水を流し流ししながら、タイツもまた納得するまで洗ったのである。もうひとつ、こんな私に幸いしたのは、タイツの上に短いパンツを履いていたことだ。それを直接履いて、良く絞ったタイツを腰に巻くと、もはや非の打ち所がない、完璧なランナースタイルであって、私は過去を振り払うように颯爽とコースに舞い戻ったのである。そしてレース後、昨年雨で登れなかった面白山へ翌日登るため、麓の天童高原キャンプ場に向かったのであるが、なんとしたことか、昨日同様車が止まった。そして今度はどうにも動かなくなった。幸いだったのは、ここに来る途中、日産のディーラーの店を見かけていたことで、携帯で探して電話を掛けると、思ったより早く来てくれた。これが法的に許されるかどうか分からないが、我々は動かなくなった車に乗ったまま運搬車に乗せられ、キャンプ場まで連れて行ってもらった。奇特な経験であった。エンコにウンコというのもまた不思議な巡り合わせであった。車は翌日、面白山を下山した時には直って駐車場に置いてあった。後で聞くと、不具合が見つかってリコールが出ていた箇所だったそうで、葉書でも通知していたそうだ。そういうことで全部無料であった。