暗いうちに宝台樹キャンプ場のバンガローを出て武尊山登山口へ。山麓を徘徊して写真を撮るという征平さんとはここで別れる。この何年か前から目と体力の衰えを口にし始めていた彼は高い山の登山を敬遠していた。特にバランス感覚が悪くなったと言い、切れ落ちた急峻な尾根歩きのある山は参加しなかった。だから翌年西俣で亡くなった時、なぜ彼が参加したのか解せなかった。山登りでないが、西俣は山登り以上のアップダウンが続き、足を滑らせれば谷底まで真直ぐ落ちるへつり歩きばかりであることは彼が一番良く知っていたはずだった。
暗いうちに宝台樹キャンプ場のバンガローを出て武尊山登山口へ。山麓を徘徊して写真を撮るという征平さんとはここで別れる。この何年か前から目と体力の衰えを口にし始めていた彼は高い山の登山を敬遠していた。特にバランス感覚が悪くなったと言い、切れ落ちた急峻な尾根歩きのある山は参加しなかった。だから翌年西俣で亡くなった時、なぜ彼が参加したのか解せなかった。山登りでないが、西俣は山登り以上のアップダウンが続き、足を滑らせれば谷底まで真直ぐ落ちるへつり歩きばかりであることは彼が一番良く知っていたはずだった。